オートマチック車の運転

 

 今回は車に関するトピックです。

 ここのところ、「オートマチック(AT)車」はゴーカートと一緒だから、あれこれ危ないのではないか、と主張される方がちらほら見かけるようになった気がします。

 でも、実はゴーカートとは微妙に違うんです。主に運転方法ですね。ここを突っついてみたいと思います。

 こちらの写真をどうぞ。(我が家の共用車・ダイハツエッセのもの)

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 ペダルが二個あります。左側の大きいのがブレーキペダル、右側の細長いのがアクセルペダルです。自動車学校を出られた方、在学中の方なら常識かもしれません。なお、当然のことながら、AT車ですのでクラッチペダルはありません。

 そして、このペダル配置は、鈴鹿サーキットの遊園地に代表されるゴーカートと、確かに一緒です。……一緒ですが! ここからがポイント。といっても、運転に携わっている方であればやっぱり常識かもしれませんが、中にはアレな足運びをしている方も居るようです。

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 こちらです。左足でブレーキ、右足でアクセル。……ダメですAT車でこれをやってはいけません。逆にゴーカートではこの足のおき方なんですけどね……。

 なんでダメかといえば、少なくとも二つ理由があります。

  • アクセルとブレーキの踏み間違い (あってはならないけどよくある話)
  • 全力でブレーキをかけなきゃいけないときに、アクセルまで踏み込んでしまう可能性

 どっちも深刻です。ブレーキ踏むつもりでアクセル踏み込んだら、そりゃ大変なことになります。そして、ブレーキかけたい時に、一緒にアクセルまで踏んでしまうと、ブレーキとアクセルが拮抗する恐れがあり、その場合は停止距離に響きます。 

 正しいとされる足運びはこちら。

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  • 基本は、右足をアクセルペダルに。
  • 左足は、邪魔にならないところに。(足置きがあればそこへ)
  • ブレーキを踏むときは、アクセルに乗っている右足を借りてくる。
  • 信号待ち等で停まるときは、ブレーキから足を離さない。(離すとクリープ現象で動き出しちゃう)

 つまるところ、排他的にペダル操作すればよし、ということになります。

 MT車に比べると、発進も走行も楽なAT車ですが、こういう運転方法を習熟してこそ、ナイスなドライブができるというものです。よく言われるのが、ナイフの例え。ATが切れ味のいいナイフだとしたら、それは諸刃の剣。使う人次第で毒にも薬にもなります。毒か薬か、そんなの一切考えることもなく、ただただナイフを振り回すことしかできない方は、けっして乗ってはならない。無免許なんて言語道断です。

 もうすぐGWです。車でお出かけされる方も多いかと思います。このエントリーが役に立つかどうかは分かりませんが、どうぞ安全運転でお過ごしくださいませ。

 

 おまけ:AT車(ダイハツエッセ・AT3速)のシフトレバー

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 P・R・N・D・2・L とあります。

  • P - パーキング - 駐車する時に使います。タイヤがロックされます。
  • R - リバース - バックする時に使います。後ろをよく確認してアクセル踏みましょう。
  • N - ニュートラル - 一時的に動力を絶つ時に使います。タイヤはロックされません。
  • D - ドライブ - 運転する時はこれに入れます。自動的にギアチェンジが行われます。
  • 2 - セカンド - ギアチェンジが2速までに制限されます。坂道で使うことがあります。
  • L - ロー - ギアは1速固定になります。力強く坂を上り下りする時に使います。

 ※2とLは強いエンジンブレーキがかかることがあるため、注意が必要です。
 特に、Dで走行中にLに入れると、急激なエンジンブレーキで速度がガタ落ちし、エンジンが急回転します。
 道路状況や速度にとってはひじょうに危険ですから、シフトレバーの操作は慎重に行ってください。

時間遡行者の行く末は

 (※この記事にはネタバレ要素があります、ご注意ください) 

 たまにはSFチックな話題でも書いてみたいと思います。

 こちらの三作品(アニメ版ね)の共通点は何でしょうか。残酷な描写? ……惜しい!

 それももちろんですが、今回は「タイムリープ」に着目します。

 「ひぐらしのなく頃に」では古手梨花が、「Steins;Gate」では岡部倫太郎が、「まどか☆マギカ」では暁美ほむらが、それぞれ作中で時間を遡行しています。

 遡行に至る動機は、バラバラのように見えて、一緒です。雛見沢大災害(梨花)、椎名まゆり死亡・ディストピア化(岡部)、まどかの死亡(ほむら)……遡行者から見て、とても耐え難い、絶望の淵に投げ込まれるところで、もう一度の希望を過去に託して、巻き戻す。

 この三人の心境は、我ら現実の人間が察しきることはできません。現代技術ではタイムマシンなどはもちろんなく、実際に遡行してはリトライを繰り返した人の心理分析エビデンスなどあるわけないからです。

 しかし、疑似体験ならできます。これはかなり身近です。PS3でもWiiでもDSでもいいのですが、昔から「ゲームのリトライはゲームならではだよね」と言われてきました。筆者もその昔、N64マリオカートのタイムアタックを何度もリトライしたことがありますが、それがちょっとだけ参考になります。

 「未来を変えたい」想いで行う時間遡行の場合、(とりあえずリトライできることに気づいているのが前提として)、まず遡行者がやることは、おそらく5~10回ぐらい、あの手この手を使って積極的に試行錯誤し、未来が変わるかどうか見ることでしょう。ここで変われば作中の人物としてはハッピーなのですが、梨花も岡部もほむらも、どんな手を尽くそうと、結局同じか、似たような、嘆きの結果が待っていました。

 ゲームであれば、ここで電源OFFするところですが、こちらの方々にとっては電源OFF=死 です。死んでしまった方がよい、とご本人達も考えたことがあるかもしれません。でも、なぜ、死という道ではなく、再び時間遡行してやり直す道を選ぶことができたのでしょう。

 これに対する問いを、かのQBさんが鋭く答えています。

「彼女がまだ、希望を求めているからさ。いざとなれば、この時間軸もまた無為にして、ほむらは戦い続けるだろう。何度でも性懲りもなく、この無意味な連鎖を繰り返すんだろうね。最早今の彼女にとって、立ち止まることと、諦めることは同義だ」
「何もかもが無駄だった、と――決してまどかの運命を変えられないと確信したその瞬間に、暁美ほむらは絶望に負けて、グリーフシードへと変わるだろう」

 他の2人に当てはまるでしょうか。岡部は何度もまゆりの死にぶち当たりますが、牧瀬紅莉栖の助言もあり、まゆりの死は1日ずつ延びていきます。岡部自身は他の葛藤もあり、やや抑うつ気味になっていきますが、一方で、少しずつの希望も積み重なっていったはずです。

 梨花はちょっと事情が複雑です。繰り返してきた分は100年分と、遡行者としてのキャリアが半端ありません。ところが、だんだん巻き戻せる時間が少なくなった(力が弱くなった)ことで、並行して絶望や諦めが強くなりました。それでも、前原圭一の出現と彼の行動によって希望を取り戻し、運命は打ち砕けるのではないか、と、いつの間に傍観者になっていた立場を翻したのが、古手梨花、その人です。

 こうして考えてみると、3人とも、案外、危ない橋を渡っていることになります。一歩間違えば、梨花は無気力、岡部は抑うつ、ほむらは絶望……未来を変えるぐらい、強い意志をもった時間遡行は、繰り返せば繰り返すほど、着実にその本人へ心理的ダメージを喰らわせるようです。

 ところで、Steins;GateのOP曲「Hacking to the Gate」に、こんな一節があります。

だからいま 1秒ごとに 世界線を超えて
君のその笑顔 守りたいのさ
そしてまた 悲しみの無い
時間のループへと 飲み込まれてゆく 孤独の観測者

  時間を遡行した3人は、みな、割と孤独でした。でもどうでしょう。運命を変える最後の一歩を踏み出した、そのときは「孤独の観測者」だったのでしょうか。

 否。少なくとも、梨花には前原圭一が、岡部には牧瀬紅莉栖が、ほむらには鹿目まどかが居ました。他人との絆、これがタイムリープモノに埋め込まれた隠し味であり、作品が現代日本に発した声なき声なのかもしれません。

「我が父の参政観」について考える

 ガキのころ、両親と選挙会場に行ったときの話(正確にはくっ付いていったのだけど)。父が、こんなことを言っていた。

誰に(票を)入れたか、そういうのは人に言ってはいけません」(話①)

 (→支持政党とか黙っておくのだよね?)

大人になったら、選挙にはぜったい行くこと!」(話②)

 (→特に疑問はありませんことよ)

 当時の自分は、そういうものなんだなと思っていたが、この歳になって考え直すと、実に深い意味に拡張できることに気付いてしまったのである。

 我が国の公式な選挙では「選挙の4原則」を遵守する・される規則で行われている。

  1. 普通選挙
  2. 平等選挙
  3. 秘密選挙
  4. 直接選挙

 ガキだった私自身が、"まあ関係があるだろう"と思っていたのは、3の"秘密選挙"であった。だが、果たしてそれだけなのだろうか。

 違う。薄くはあるが、秘密選挙以外にも絡んでいる。

 最近になって気が付いたエピソードも追加して、分析を加速させてみる。

  • 父は、話①に準じて支持している政治家は全く言わない。断固として言わない。その代わり、支持していない政治家に対しての批判は積極的だし、しばしば熱くなる。
  • 話②「選挙には必ず行け」に付随。誰に入れてもいい、空票でも、自分の名前を書いてもいいから行きなさい、といった主張。"行くこと"が大事だという。
  • 選挙のたびに、無関心な母が不満げに言う「誰に入れたらいいか分かんないんだよね-、ジジイに聞いても教えてくれないしー

 まだまだエピソードは尽きないものの、もうだいたい見えてきたぞ、父の根幹にあるもの。

  1. 選挙は必ず行くものです。
  2. 流されることのない、自分の意志を持ちなさい
  3. だから、誰に入れたらいいかとか、少なくともボクはアドバイスしません。
    だって、流されることになるでしょう。そして、キミの入れる票じゃなくなるね
    (でも本当は、ボク、批判だけじゃなくて支持も言いたいんだよなあ…)

 鋭い方ならお気づきの通り、1 は 普通選挙・直接選挙の原則、2 と 3 で平等選挙の原則を間接的にうすーく、遵守、布教(?)していることにならないこともないのです。4つの原則、オールクリアです。

 家庭内ではちょっと頼りない我が父ですが、この記事を書いている間にも、ますます「すごい人のもとに生まれたものだなあ」と嬉しくなってしまいました。政治に無関心な母もいるから、問題点も容易に見えてきて、逆にナイス。

 ここから先は余談ですが、「選挙に行かないということはどういうことか」について考えたことがあります。辿り着いたゴールは単純で、それは "今後どうなっても、私は文句を言いません" 。例えば、いざ税率変更、いざ各種法律改正、となって自分に不利益が回ってきても、文句はいえない。厳密には違うけど、選挙権を投げ出すことは参政権(政治に参加する権利)を投げ出すことだもの。

 自分の選挙区に任せられる人が居なければ、空票や「信任者なし」で提出してよいのです。これも「流されない自分の意見」。日本国憲法第15条にも、「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」と心強い規定もあります。行ったことない成人の方、今からでも大丈夫、どんどん行きましょうよ。

 私も、子が大人になったとき、「ああ、あのジジイが言ってたのはそういうことか」みたいな、味わい深いオヤジになりたいものです。(オヤジどころか、今のところ結婚の予定すらありませんが……)

本当に怖いのは「躁」かもしれないという話

 「躁うつ病」の病名は、みなさん一度は目にしたことがあるかと思います。"うつ"は分かるけど、"躁"って何じゃらほい? って方のためにざっくり説明しますと、

  • 病的なハイ状態

 です。簡単ですね。とは言いつつ、病的のレベルも数段階あって、精神医学界では2つに分類されてます。

  1. 軽躁

 では、軽躁や躁になると何が起きてきて、何が困るのでしょうか。一般的なお話と、経験者(わたくし)のお話を交えて解説いたしましょう。

 まず、一般の診断基準。DSM-IVでは躁病エピソードは次のように定義されています。

  1. 自尊心の肥大、または誇大
  2. 睡眠欲求の減少
  3. 普段より多弁であるか、喋りつづけようとする心迫
  4. 観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験
  5. 注意散漫(すなわち、注意があまりにも容易に、重要でない関係のない外的刺激に転導される)
  6. 目標志向性の活動の増加、または精神運動性の焦燥
  7. まずい結果になる可能性の高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買い漁り、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念すること)

 お医者さんによりますが、概ね3つ以上で"躁"の診断となるようです。

 にしても、「別に怖くなくない? やばくなくない?」と思ったあなた、甘い!

 例えば、1 で自尊心がUPUPしているところに 3 の多弁が来ますから、人間関係のトラブルが多発するようになります。そして、自分自身は、「なんかイライラする気持ち」が次々とわき出てきて、それを止められません。これが危険その1ね。

 わたくしの場合、6 も顕著でした。わたくしのTwitterアカウント(@MiraiNagato)に紐付いているTwilog統計をご覧ください。11月上旬にPOSTを乱発していることが見てとれます。このときの記録を見てみますと、とにかく取り留めのない、まるで脊髄反射でツイートしている様がわかります。しかも、誤字脱字も多めです(注意散漫→5)

 また、12月には一晩削って(睡眠欲求の減少→2)数学や物理の「一つの問い」を解き続けたことがありました(6)

 これらを形容するとしたら、「ハイパー活動的」と言ってしまってもいいでしょう。しかし、人間のバイタリティは有限です。実際、一晩中問題を解いていた時は、精神力も体力も限界でした(たちの悪いことに、限界なのにブレーキがかかりません!)。バイタリティを使い果たすと、待っているのは躁の反動、うつです。多くの場合、うつと躁はセットであり、まるでバネの単振動のように気分の波を描きます(双極性障害)。うつ→躁→うつ→躁……と繰り返すのも、それだけでまたバイタリティを消耗します。生活も趣味も仕事もまともに成り立ちません。これが、危険その2。

 大多数の方は、ここに来るまでに「さすがに異常だ」と気づき、心療内科・精神科やカウンセリングルームを訪れるなどで、徐々に波は収まっていきます。ですが、わずかなパーセンテージで起こりうる、最悪の事態は知っておかねばなりません。

 うつ状態で、「ああ、死にたいな」と思ったとします(希死念慮)。しかし、うつの時は行動力がそもそも起きないため、おおよそ自殺には至りません。その後、軽躁や躁になったとき、「ああ、死にたいな」が「よし、死のう」になります。躁には行動力があるため、自らを傷つける危険性が大いに増します。これが危険その3・最大の危険です。

 かれこれ9年ほど前でしょうか、うつ病を患っていた故・祖母が自殺未遂をしたことがありました。幸い、すぐに発見されて手術の末、何とか助かりました。その時の祖母いわく、「ピキーンと来た」のだと言います。また、手術が終わって助かった祖母は、一時的に元気になっていました。今になって思えば、祖母はうつ状態から躁転したものと考えることができます。遺書が便せんなどではなく、チラシの裏を使っていたのも、ある種の衝動性を感じられます。

 それでは、〆ていきましょう。躁の危険は主に3つ。

  1. とにかくハイで多弁、場合によってはイライラもプラス。
    →人間関係のトラブルへ発展する危険。
  2. とにかく取り留めのない行動、躁とうつが交代交代に来襲。
    →生活に支障、日常が崩壊する危険。
  3. 希死念慮が発生した後で躁転すると……
    →自身を実際に傷つける危険。亡くなることもある。

 もしあなたが「もしかして躁かな?」「どうもハイとローの大きな波があるな?」と気付いたら、力を使い果たす前に、病院やカウンセリングルームを受診して適切な指導やお薬の服用をしてください。メンタルの疾患も、身体疾患と同じく、早期発見・早期治療が大切です。

 どうしても病院等に行けない状態ならば、おまじない程度の心がけ「まだやれそうだと思っても、やめておく。50%ぐらいでやめておく。」を実践してみてください。パワーセーブというやつで、躁→うつ→躁になるときに気分の変動幅を少なくできるかもしれません。

 以上、「本当に怖いのは躁かもしれないという話」でした。

 

体重変動のスペクトルを見た話

まずはこちらをご覧いただこう。

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 体重記録から作った時系列グラフ。諸事情にて、8月中旬→12月にかけて体重がガクリっと落ちてますが、それはまた別の機会に。

 さて、10月上旬ごろからグラフが波打っています。なぜか? 大した理由ではなく、単に1日単位で記録するようになったから。少なくとも、私自身の体重ってのは高調波が乗っているっぽい。

 ……こう聞くと、無性に周波数解析したくなりません? スペクトルを見ることで、ある程度の繰り返し(ただしsin波・cos波)は特定できて、何か面白いことが分かるかも。低周波変動を除くためにとりあえず時系列数値を微分して……。

 

 やっちゃいました。

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 サンプル数32, サンプリングレート 1[day^-1]。しかし、ちょっと不思議なグラフですので、解説しますね。Excelのフーリエ解析ツールでスペクトルを算出できますが、スペクトルのインデックス値は周波数に比例します。扱いにくい! 逆数をとり、調整を施して D [日ごと] へ。こうなると、対数グラフでも使わないと、これまた見にくい。

 したがって、

  • 周波数F→D日毎 の単位変換
  • 通常グラフ→対数グラフ

 の不思議グラフとなりました。

 本題。では、これらのスペクトルを見てみますと、

  • (やはり) いくつかの特徴的な山が散見される。
  • 減少傾向にあるときは、短い周期での揺れがある? (仮説A)
  • 山の数は、常に3~4個ぐらい? → 3~4個の体重変化の波がある! (仮説B)

 ことが分かります。サンプル数・区間を変えてみたり、はたまた、他人のデータならば、また違った結果が出るのではないでしょうか。

 ちなみに、こんな応用もできます。

  • 強い周波数成分だけ残して逆FFT、今後の変動の予測に役立てる。
    → もし仮説Aが誰にも当てはまるなら、ダイエット中の大きな増減に対して一喜一憂しないで済む。

 皆さまもぜひ一度、体重記録から「あなたの」周波数を算出してみてはいかがでしょうか。